- 電車の運転士って、泊まりの日は会社で寝ているの?
- 泊まり勤務は何時間くらい眠れるんだろう。体はもつのかな?
- 宿泊所の設備はしっかりしているのかな?
運転士の仕事に興味を持つと、この泊まり勤務が気になってくると思います。
- 睡眠時間はおよそ3〜6時間。
- 宿泊所は全室個室で空調完備。
- 体への負担は小さくないのでケアが必要。
この記事では、現役運転士のフェニオが、泊まり勤務の中身を包み隠さず解説します。
睡眠時間、宿泊所の設備、持ち物、体への負担と、その付き合い方まで。運転士を目指す人が「自分にできそうか」を判断できる材料にしてください。
電車の運転士の1日

まず前提として、
大まかな流れはこうです。
- 昼から午後に出勤し、夕方から夜の列車を乗務する
- 夜は宿泊所で仮眠をとる
- 翌朝、始発から午前中の列車を乗務して勤務終了
鉄道は朝の始発から深夜まで動いています。深夜に運転を終えた列車を翌朝また動かすためには、運転士がその場に泊まっている必要があるわけです。
出勤から退勤までの具体的な業務内容は、別記事でくわしく解説しています。

フェニオ泊まりは月に6〜10回くらいかな。月の3分の1くらいは家で寝ていない計算になるね
泊まり勤務の実態
ここからが本題です。宿泊所での過ごし方を、順番に見ていきます。
睡眠時間
睡眠時間は、およそ3〜6時間です。
幅があるのは、その日の行路(担当する仕事の組み合わせ)によって変わるからです。
翌朝の乗務が始発に近いほど、眠れる時間は短くなります。
ここで注意してほしいことがあります。この3〜6時間に、お風呂や寝る準備の時間は含まれていません。
宿泊所に着いてから、お風呂に入り、翌日の準備をして、それから布団に入ります。
実際に「休める時間」は、睡眠時間よりもう少し長いと考えてください。
一方で、逆に短くなることもあります。
- 列車が遅れた
- お客様の忘れ物の対応があった
- 車内の嘔吐物の処理が必要になった
こうしたことが起きると、基本的にそのぶん睡眠時間が削られます。
乗務が終わる時刻は後ろにずれても、翌朝の始発の時刻は変わらないからです。



予定どおり寝られる日ばかりじゃないよ。遅れた日はそのまま睡眠時間が短くなるんだ
宿泊所の設備
「会社に泊まる」と聞くと、雑魚寝のような環境を想像するかもしれません。実際は違います。
🔶寝室はすべて個室
宿泊所の寝室は全室個室です。他の乗務員と同じ部屋で寝ることはありません。もちろん空調も完備されています。
短い時間でしっかり眠ることが仕事の一部なので、ここは各社とも配慮されている部分です。
🔶お風呂とトイレは共用
バスタブ付きのお風呂又はシャワールームがあります。大きな職場では大浴場になっていることもあります。ただし、お風呂とトイレは共用です。
🔶女性の宿泊所は完全隔離
最近は女性の運転士や車掌も増えています。安全やプライバシーに配慮し、女性の宿泊所は男性とは完全に区分けされています。
女性用の宿泊所にはパウダールームも完備されています。
🔶古い建物も多い
正直なところ、古い建物も多くあります。鉄道の施設は長く使われるものだからです。新しくきれいな宿泊所ばかりではない、というのは知っておいてください。
🔶音と振動がある場所も
これは鉄道ならではです。宿泊所は線路に近い駅や車両基地に置かれているため、場所によっては列車の音や振動が伝わってきます。
慣れてしまう人が多いですが、最初は気になるかもしれません。
🔶起床はベッドがふくらむ装置
運転士が絶対にやってはいけないのが寝坊です。そのため、宿泊所には起床装置があります。
設定した時刻になると、ベッドの一部がふくらんで、体を起こしてくれる仕組みです。音ではなく体感で起こすので、確実に目が覚めます。
とはいえ、これだけに頼る人はほとんどいません。多くの運転士が、自分のスマホのアラームも同時にセットしています。



起床装置があっても、みんなスマホのアラームもかけているよ。寝坊は絶対にできない仕事だからね
🔶食事は弁当・コンビニ・外食
泊まりの日の食事は、お弁当を持参する人、コンビニで買う人、外食する人とさまざまです。
乗務員が多く集まる大きな職場には、社員食堂があるところもあります。
🔶持ち物:シーツと浴衣は用意あり
会社が用意してくれる物と、自分で持っていく物は次のとおりです。
| 用意されている物 | 自分で持参する物 |
|---|---|
| シーツ | シャンプー |
| 浴衣 | 歯ブラシ |
| パジャマ(浴衣が苦手な人) |
寝具と浴衣は用意されているので、荷物はそれほど大きくなりません。
体への負担
ここは包み隠さず書きます。
3〜6時間の睡眠を、月に6〜10回。しかも毎回同じ時間に寝起きするわけではなく、行路によって時間帯が変わります。生活のリズムは一定になりません。
🔶体調が悪いときは乗務しない
先に、安全のための仕組みを説明します。
体調不良で乗務できないと判断した場合、運転士は乗務しません。
代わりの運転士に交代してもらいます。そして、泊まり先で体調が悪くなり、交代の乗務員を手配できない場合は、その列車は運休になります。
列車を運休にしてでも、体調の悪い運転士は乗務させない。これが鉄道の考え方です。
🔶実際のところは
そのうえで、正直な実感も書いておきます。
少し眠いくらいでは休みませんし、休めば他の人に負担がかかることも分かっているからです。
だからこそ、自分で体調を管理する意識が欠かせません。
🔶フェニオがやっている工夫
- 勤務が終わった日に昼寝をする(明けの午後に睡眠を取り戻す)
- その日の夜は早く寝る
- 過度な寝溜めはしない
特別なことはしていません。ただ、「足りなかった睡眠は、その日のうちに取り返す」と決めているだけです。
これを続けられるかどうかが、長く働けるかの分かれ目だと感じています。



泊まり明けの日にどう過ごすかが大事だよ。フェニオは昼寝をして、その日の夜も早く寝るようにしているんだ
🔶泊まり勤務の良いところ
負担の話ばかりになってしまったので、良い面も書いておきます。
そのまま出かけることもできますし、家に帰ってゆっくりすることもできます。
平日の昼間に自由な時間が作れるのは、シフト勤務ならではの強みです。役所や病院の用事も済ませやすくなります。
労働時間や休日の考え方は、こちらの記事でくわしくまとめています。


働き方のブラックな面・ホワイトな面を両方知りたい人は、こちらもどうぞ。


電車の運転士になる方法


ここまで読んで「それでも運転士になりたい」と思った人へ、進み方を整理します。
運転士は、いきなりなれる仕事ではありません。
フェニオの会社では、入社から運転士になるまで3〜5年が標準でした(年数は会社によって異なります)。
学生の人は、新卒枠での就職が王道です。




新卒での就職活動に不安があるなら、就職エージェントに無料で相談できます。
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すでに社会人として働いている人も、あきらめる必要はありません。
鉄道業界は人手不足が続いていて、年齢やキャリアを問わず運転士候補を募集している会社もあります(応募条件は高卒以上)。


転職での挑戦を考えるなら、無料の転職エージェントに相談してみてください。
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まとめ
電車の運転士の泊まり勤務について、実態を解説しました。
- 回数:月に6〜10回。月の3分の1ほどは自宅で寝ていない
- 睡眠時間:およそ3〜6時間(お風呂や準備の時間は別)。遅延やトラブルがあると削られる
- 設備:寝室は全室個室で空調完備。風呂とトイレは共用。古い建物も多く、線路際で音や振動がある場所も
- 起床:ベッドがふくらむ起床装置。多くの人がスマホのアラームも併用
- 持ち物:シーツと浴衣は用意あり。シャンプー・歯ブラシ・パジャマは持参
- 体への負担:正直に言って大きい。明けの日の昼寝と、早めの就寝で取り返す
- 良い面:午前中に仕事が終わることが多く、そのまま出かけられる
泊まり勤務は、楽な働き方ではありません。それでも、自分の体調と付き合う方法さえ身につけば、長く続けられる仕事です。
フェニオも20年以上、この働き方を続けています。
生活のリズムまで含めて知ったうえで、自分に合うかどうかを考えてみてください。
正しく知って、納得して選んだ人が、いちばん強いです!
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