鉄道会社に就職すれば誰でも駅員や運転士になれるの?
駅員や運転士の勤務って不規則なの?
お給料はどれぐらいもらえるの?
こんにちはフェニ夫です。自分が実際に鉄道会社で駅員や運転士をしている姿を想像したことはありますか?
鉄道会社に入社して駅員や運転士をやってみたい。
でも実際の仕事は具体的にどんな内容なの?
勤務形態やお給料、鉄道会社の福利厚生ってあまり知られていませんよね。
働く上では重要なことなのに見えてこない。実際に働いてみたら
こんなはずじゃなかった
なんてなるのは嫌ですよね。
この記事では鉄道会社の運輸系統で駅員・車掌・運転士を経験したフェニ夫が鉄道会社の中のことについて包み隠さずわかりやすく解説していきます。
これから鉄道会社への就職や転職を目指している人はぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。
勤務形態
給料
福利厚生
鉄道業界の将来性
鉄道会社の中のことが具体的にわかるようになり、鉄道会社の運輸系統で働くイメージが着くようになります。
鉄道の仕事に興味がある
駅員・車掌・運転士になりたい
鉄道会社の運輸系統に転職したい
給料や福利厚生が気になる
鉄道業界とは
鉄道業界とはその名の通り鉄道を運行することによってお客さんから運賃を頂いたり、貨物輸送を行い輸送費を頂くことで収益を上げる企業です。
鉄道の運行以外にも
🔶駅を拠点とした不動産事業。
🔶百貨店や売店などの小売業。
🔶ホテルやレジャー施設の運営。
などその他にも多くのグループ企業を抱え、幅広い業種で経営を行なっています。
これから日本は人口減少と高齢化社会が加速します。
最近ではリモートワークも普及しつつあり、本業である鉄道によるで収益を上げていくことは難しくなってきています。
そのため各鉄道会社は鉄道以外の収入の柱を強化するため不動産や駅周辺の再開発などに力を入れています。
鉄道会社の運輸系統とは
鉄道会社は鉄道会社の本体とその周辺業務を行うグループ会社がいくつもあります。
鉄道の直接的な運行に関わることは鉄道会社の本体が行なっています。
その中でも鉄道の運営には様々な職種が存在します。
🔶 運輸系統
駅員・車掌・運転士など鉄道を利用する人と直接関わり、列車を安全に運行する
🔶 車両系統
鉄道車両の設計・開発・検査・修繕など鉄道車両の安全・快適性を追求する
🔶 施設系統
線路や信号、電力の保守・駅設備のメンテナンスなど、鉄道の設備面の安全を守る
主にこの3つが存在します。
鉄道会社に就職する場合
採用試験を受ける段階でどの職種で試験を受けるのか選択しなければいけません。
鉄道会社側も職種ごとに採用人数を大まかに決めています。
また、基本的にはどの鉄道会社も
入社後に職種を変更することはできません。
駅員・車掌・運転士を希望する人は必ず運輸系の職種で採用試験を受けましょう。
鉄道会社の中には一部の職種のみの採用しか行なわない年もあります。
必ず運輸系統の採用があるかどうかを確認しましょう。
駅員の仕事
鉄道会社に入社すると基本的には駅員からスタートします。
駅は鉄道を利用されるお客様が最初に利用されるところで、鉄道会社の『顔』的な存在です。
駅員の仕事は鉄道の仕事の基礎的な位置付けとなっていて、仕事をしながら鉄道の基礎を学んでいきます。
最近では利用者の少ない小さな駅ではグループ会社の社員が駅業務を行うことが増えています。
鉄道会社本体の社員はターミナル駅などの大きな駅での業務を行うことが多いです。
駅員の主な業務内容
改札の立ち番
改札口に立ってこれから列車を利用されるお客様、列車から降りて外に出るお客様の案内をします。
などを行います。駅やその周辺の詳しい知識やきっぷの知識が必要です。
きっぷ売り
きっぷ売り場の窓口でお客様の目的地を伺い、きっぷを発売したり、定期券や団体きっぷを発売します。
🔶割引きっぷ
🔶お得なきっぷ
🔶発売端末の操作方法
などの営業に関する詳しい知識が必要です。
その他の業務
🔶ホームでの列車案内
ホームに立ってアナウンスを行ったり、目の不自由な方や車椅子を利用されているお客様のお手伝いを行います。
🔶券売機の締切
自動券売機の売上金を回収したり、機械の故障などのトラブルの対応を行います。
🔶無人駅の管理
列車が遅れた時に遠隔操作で無人駅の案内を行ったり、実際に無人駅に行って、清掃や掲示物の貼り替えなどを行います。
🔶忘れ物の管理
駅や列車内にあった忘れ物を一時的に預かり返却の手続きを行ったり、持ち主が現れなかった場合に、警察に引き渡す手続きを行います。
🔶食事の準備
駅員の食事の買い出しや調理を行います。
最近は廃止している鉄道会社が多いです。
駅員の勤務形態
駅員の勤務は主に2種類があります。
🔶一般的なサラリーマンのような朝9時〜18時までの 日勤
🔶朝9時に出勤したら次の日の朝9時まで勤務する 泊まり勤務
日勤でもラッシュの時間帯に対応するため7時〜16時までの勤務やなど駅ごとの事情によって変則的な日勤もあります。
泊まり勤務の場合は9時〜翌朝9時までと言った感じで休憩や仮眠を挟みながら翌朝交代が来るまで勤務します。
駅には泊まり勤務のための宿泊施設やお風呂もあります。
泊まり勤務の場合は一回の勤務で2日分の仕事をします。
駅によっては朝夕のラッシュ時間帯に対応するため、夕方に出勤して翌朝のラッシュが落ち着く時間に終業する勤務もあります。
鉄道は365日休まず営業しています。お正月もゴルデンウイークもお盆も関係ありません。
そのため勤務は完全にシフト制で毎月月の後半に翌月の勤務1ヶ月分が発表されます。
土日や祝日に仕事が入ったり、平日に休みがあったりと本当にバラバラです。
結婚式や子どもの入学式、旅行などでどうしても休みが欲しい時は前月中に有給を申し込んでおけば希望の日に休みを取ることもできます。
車掌の仕事
乗務員となって直接列車の安全確保、定時運行に携わります。
実際の時刻表に載っている列車の運行に直接関わるので責任感が湧いてきます。
車掌になるのには特別な資格は必要ありませんが、社内の登用試験などに合格する必要のある鉄道会社もあります。
車掌の主な業務内容
車内放送
列車の到着時や発車時に案内放送を行います。
最近では自動放送を行う列車も増えてきました。
しかし、ダイヤが乱れた時や乗り換え案内など、
臨機応変に対応しなければいけない場面ではまだまだ車掌による肉声放送が必要不可欠です。
ドアの開閉
駅でのお客様の列車の乗降のために車掌が列車のドアの開閉を行います。
列車のドアはエレベーターのように挟まっても勝手には開いてはくれません。
全て車掌による目視での安全確認でドアの開閉を行います。
首都圏の鉄道会社では最大で15両編成×4扉=60ものドアの安全確認を車掌一人で行います。
車内巡回
列車内を歩いて回ってくる車掌さんの姿を一度は見たことがある人も多いと思います。
駅を発車してから次の駅に到着するまでの間に車掌さんがやる仕事が車内巡回です。
乗り越し、行き先の変更などのきっぷの発売
乗り換えや到着時間などのお客様の案内
不審な人物や行為がないかなどの車内秩序の維持
最近では列車内で刃物を持って暴れたり、火をつけると言った凶悪な事件も発生しています。
車掌が車内に入って姿を見せるだけでも抑止力になるので、車内巡回の重要性は増しています。
その他の仕事
🔶列車防護
列車が脱線したり、他の線路を支障した場合に2次災害が発生しないように反対線路などの列車を止める手配をします。
🔶避難誘導
地震、津波などの災害時や列車が駅間で長時間停車して、動く見込みがなくなった時にお客様を列車から降ろして最寄駅や安全な場所にお客様を非難させます。
車掌の勤務形態
車掌の勤務も日勤と泊まりの2種類がありますが、基本的には泊まり勤務となります。
駅の仕事とは違って、列車の運転時間によって出勤時間、終業時間がバラバラに変わります。
出勤時間 10:28
終業時間 10:11(翌日)
みたいな感じになります。
昼過ぎや夕方に出勤する仕事もあります。
出勤時間が早朝の場合もあり、早朝出勤の場合は朝家を出ても出勤時間に間に合わないので前日のうちに職場に入る『前泊』をすることもあります。
車掌の仕事は列車に乗務することなので休憩する場所や泊まり勤務で宿泊する場所も毎回バラバラです。
『乗組』と言われる運転士とコンビを組んで仕事をする会社もあります。
上の図は一例ですが11:11に職場に出勤して着替えや乗務前の準備をします。
B駅からD駅まで乗務して休憩。
D駅からE駅まで乗務して休憩。
といった感じに乗務していきます。
深夜A駅に到着後はお風呂に入って宿泊施設で仮眠をとります。
翌朝またA駅から乗務してB駅に到着したら終業となります。
運転士の仕事
実際に何百人、何千人というお客様を乗せて列車を操縦する仕事です。
子どもの頃誰もが一度は『電車を運転してみたい』と思ったのではないでしょうか。
フェニ夫も幼い頃に電車の運転士になりたいと思い、そのまま大人になりました。
列車の運転には国土交通省が発行する『動力車操縦者免許証』が必要です。
『動力車操縦者免許証』の取得には車の免許と同様に学科試験と実技試験に合格しなけれがいけません。
給料をもらいながら約1年かけて免許を取得します。
内燃車 気動車
新幹線電気車 新幹線
このほかにも路面電車やトロリーバスなどの免許もあります。
運転士の主な業務内容
列車の操縦
列車の運行の最前線であり、時刻表通りに安全かつ快適に列車を運転します。
🔶速度
🔶ブレーキ
🔶止まる位置
など多くのことに気を遣いながら運転します。
お客様を乗せない回送列車や駅内で列車を移動させる入換運転もあります。
鉄道会社によっては『特急列車』などの優等列車を運転している会社も多くあります。
『特急列車』の運転は運転士の中でも経験年数を積んだ腕のある人でないと乗務出来ない会社もあります。
始発点検
朝一番にお客様を列車に乗せる前には必ず始発点検を行います。
ブレーキ試験
車内の点検
など安全快適にお客様に乗車してもらえる状態なのかを時間をかけて必ずチェックします。
その他の仕事
🔶列車防護
列車が脱線したり、他の線路を支障した場合に2次災害が発生しないように反対線路などの列車を止める手配をします。
🔶避難誘導
地震、津波などの災害時や列車が駅間で長時間停車して、動く見込みがなくなった時にお客様を列車から降ろして最寄駅や安全な場所にお客様を非難させます。
運転士の勤務形態
運転士の勤務も日勤と泊まりの2種類がありますが、基本的には泊まり勤務となります。
駅の仕事とは違って、列車の運転時間によって出勤時間、終業時間がバラバラに変わります。
出勤時間 10:28
終業時間 10:11(翌日)
みたいな感じになります。
昼過ぎや夕方に出勤する仕事もあります。
出勤時間が早朝の場合もあり、早朝出勤の場合は朝家を出ても出勤時間に間に合わないので前日のうちに職場に入る『前泊』をすることもあります。
運転士の仕事は列車に乗務することなので休憩する場所や泊まり勤務で宿泊する場所も毎回バラバラです。
『乗組』と言われる運転士とコンビを組んで仕事をする会社もあります。
上の図は一例ですが11:11に職場に出勤して着替えや乗務前の準備をします。
B駅からD駅まで乗務して休憩。
D駅からE駅まで乗務して休憩。
といった感じに乗務していきます。
深夜A駅に到着後はお風呂に入って宿泊施設で仮眠をとります。
翌朝は始発列車の点検を行って出庫します。
その後A駅から乗務してB駅に到着したら終業となります。
その後の進路
駅員・車掌・運転士を経験した後は本人の希望や会社の社員運用の方針などにより様々な道が用意されています。
輸送指令員
列車の運行を全体的に管理する仕事です。
大雨や強風などで列車を止める指示を出したり、人身事故や車両故障で列車が動かなくなった時に行き先の変更や列車の運転取りやめなどを決めて駅や乗務員に指示していきます。
現場の管理職
駅や乗務員の職場で、業務や社員を管理する管理職です。
勤務を作成したり、制度の変更を社員に訓練などで周知します。
お客様の前に出ることは少なくなります。
本社勤務
駅員・車掌・運転士の経験を活かして本社勤務をすることもあります。
本社勤務では
🔶より便利なダイヤを考える
🔶効率の良い車両や乗務員の運用を考える
🔶便利でお得なきっぷを考案する
など会社の経営戦略に関わる仕事を任されることもあります。
その他のも関連会社に出向して更なる経験を積む道もあります。
鉄道会社の福利厚生
JRや大手私鉄の場合は誰もが一度は名前の聞いたことのある大企業です。
そのため、福利厚生は充実しています。
内容は鉄道会社ごとに様々ですが、鉄道会社でよくある福利厚生の一部を紹介します。
自社線が無料や割引で使える
これはほとんどの鉄道会社で採用されている制度です。
社員には専用のきっぷが渡され、自社の路線はいつでも無料で乗ることができます。
JRでは特急料金も割引で利用できる会社もあります。
また、社員だけではなく社員の配偶者、親や子といった親族でも自社の路線を無料や割引で利用することができます。
寮や社宅が完備されている
JRや大手私鉄は営業エリアも広く、地元だけでなく全国から社員を採用しています。
そのため、遠方から働きにきている社員のために独身寮や社宅が完備されています。
寮や社宅の利用料も安く、遠方から就職してきても住むことに困ることはありません。
ホテルやレジャー施設が安く利用できる
鉄道会社は鉄道の運行だけでなく、グループ会社がホテルやテーマパークなども運営しています。
鉄道会社の社員は自社のグループ会社が運営しているホテルやレジャー施設を安く利用できます。
社員だけではなく、一緒に同行する家族や友人も割引の対象になったりします。
運輸系の給料
鉄道会社のお給料って高いの?安いの?
鉄道会社で働くにあたって、お給料の問題は避けては通れない問題です。
鉄道の仕事がが好きで鉄道会社に入ったけど、給料が安くて生活できない
では困ってしまいますよね。
上の図は一部の鉄道会社の給料のデータです。
平均年収は600万〜700円程度となっています。
平均年収は中央値と違って少し高めになってしまうので、上の図の平均年収−50万円ぐらいが現場で働く社員が実際にもらえるお給料となります。
年功序列で給料が上がっていく
鉄道会社の給料形態は昔ながらの年功序列が基本です。
そのため、若いうちは給料は安めに設定されており、年齢を重ねるごとに昇進していき給料も上がっていきます。
それでもJRや大手私鉄では若いひとの給料も世間一般よりは高めなので、生活が困ることはありません。
歳を重ねればしっかりと給料も上がっていくので、ベテランになると世間一般よりはかなり良いお給料がもらえます。
基本給は安め、手当が厚い
鉄道会社の基本給は他の業種と比べると比較的安いと言われています。
しかし、手当が厚い分もらえる額は世間一般よりも多くなっています。
🔶営業手当
🔶乗務員手当
🔶当直手当
🔶残業手当
など他にも多くの手当が存在します。
列車が何らかの理由で遅れて休憩時間が削られてしまった場合でも分単位で残業代が支給されます。
鉄道業界の将来性
日本はこれからますます少子高齢化が進みます。
そんな中で鉄道業界も人口の減少やリモートワークの普及により鉄道の利用者が大幅に増えることは難しい環境になってきています。
これから鉄道業界はどんな道を歩んでいくのか、解説していきます。
収益の柱を増やす
少子高齢化やリモートワークの普及により鉄道の運輸収入以外の収入源を確保する必要があります。
駅周辺の再開発や駅中の商店の充実など、鉄道以外の不動産業や小売業などを強化していき、収入源の多角化をはかっていくことになります。
駅の無人化
利用客の少ない駅では駅員のいない『無人駅化』が進んでいきます。
実際にJRや大手私鉄でもきっぷ売り場に券売機を設置するなどして無人駅化を進めています。
駅の放送や自動券売機などの案内は近くの駅員のいる大きな駅から行います。
ワンマン列車化
地方のローカル線や大都市圏の安全設備が完備されている路線では車掌さんが乗務しない、
運転士一人のみで列車を運転する『ワンマン列車化』が進んでいきます。
また、最近では自動列車運転装置(ATO)技術の開発やAIの技術進歩によって将来的には
車掌も運転士も乗務しない『完全自動運転』を目指しています。
しかし、この『完全自動運転』には莫大な設備投資と安全上の課題など、
クリアしなければいけない課題も多く
車掌や運転士は必要なくなる時代はまだまだ先の話になりそうです。
赤字路線の廃止
鉄道会社は営利企業であり、公共交通機関でもあります。
赤字路線だからといって簡単には廃止にできません。
地元の自治体などと協議しながら廃止するかどうかを決めていきます。
日本はこれから地方の過疎化がますます進んでいくので、鉄道会社は地元自治体などの理解を得ながら赤字路線は廃止し、バスなどの代替え輸送手段に変更していきます。